介護保険の自己負担原則2割へ 財務省が提案

このエントリーをはてなブックマークに追加

今年4月25日、財政制度等審議会の分科会にて給付と負担のバランスをとり、制度の持続可能性をできるだけ高めていかなければならないとして、財務省は介護保険の利用者に求める自己負担を原則2割に段階的に引き上げるべきと主張しました。高齢者世帯や介護事業を運営している事業者などから不満が浮上しそうな内容です。今回は現在の介護保険負担制度や介護負担増で生じる問題について解説したいと思います。

1.現状の介護保険の負担割合

介護保険施行当初は全員1割負担でしたが、現状の介護保険自己負担割合は利用者の所得に応じて3種類あります。

所得に応じて対価や保険料を支払う応能負担となります。

単身世帯

■ 1割負担となる基準
・年金収入が160万円未満
・年金収入 + その他の所得金額 = 160万円以上~280万円未満

■ 2割負担となる基準
・合計所得金額が160万円以上かつ年金収入 + その他の所得金額 = 280万円以上
・年金収入のみの場合は年収280万円以上

■ 3割負担となる基準(2018年8月1日施行)
・合計所得 金額が220万円以上かつ年金収入 + その他の所得金額 = 340万円以上
・年金収入のみの場合は年収344万円以上

2人以上世帯

■ 1割負担となる基準
・年金収入 + その他の所得金額 = 346万円未満

■ 2割負担となる基準
・合計所得金額が160万円以上かつ年金収入 + その他の所得金額 = 346万円以上

■ 3割負担となる基準(2018年8月1日施行)
・合計所得 金額が220万円以上かつ年金収入 + その他の所得金額 = 463万円以上

※ 第2号被保険者(40~64歳)は1割負担(所得水準関係なし)。

厚労省によると、2割以上に該当するのは全国におよそ50万人、利用者全体の概ね1割となっています。

そもそも3割負担ができたのは2018年8月1日からです。

3割負担が生じた理由は

介護保険制度を今後も持続可能なものとし、世代内・世代間の負担の公平、負担能 力に応じた負担を求める観点から、負担能力のある方についてはご負担をお願いするため」とのことです。(厚生労働省より)

2.介護保険の自己負担原則2割になるとどうなるのか

65歳以上の要介護認定率が18.6%なので(2016年11月審査分)実際に介護サービスを使っている人と保険料を負担しているだけの人が存在することになります。つまり、健康で全く介護サービスを利用していない方の負担は増えるばかりなのです。もちろん介護サービスを利用している世帯も負担増は当然生じます。現在、2割以上に該当するのは全国におよそ50万人、利用者全体の概ね10%程度ですので1割負担の方が多い状態となっています。それがこのまま進めば原則2割負担になるのだから不満が出るのも否めません。

財務省はあわせて、居宅介護支援のケアマネジメントでも利用者から自己負担を徴収することや、高齢者の医療費の自己負担を引き上げることなども提案しているので要介護の方の負担は大きくなるばかりです。

そうなると、経済的な理由で介護サービスの利用を控える方も多くなると懸念されています。また、利用者が集まらず、介護事業所の経営困難を生じさせる不安もあります。

3.最後に

2019年10月1日から消費税も10パーセントになる中、介護保険の負担割合も増加したら一気に負担が増えます。各地でも原則2割負担反対運動が行われています。政府は秋以降に調整を本格化し、今年中に結論を出す予定だそうです。国民の声を反映し、皆が納得できるような仕組みになることを期待しています。